父方の祖母が94歳、母方の祖母が92歳と高齢ですが、ありがたいことに2人とも元気でいてくれています。
最近、2人の祖母に会いました。
その時に、父方の祖母と母方の祖母がまるで陰と陽だな・・と感じたのです。
今回は、2人の祖母を通じて感じたこと、最後に住職から教わったことをお伝えしていきたいと思います!。
父方の祖母・ウメ(仮名)さんの人生
ウメおばあちゃんのことはとても尊敬しています。
とにかく根性の人!
洋裁学校に通い、洋裁店へ就職。
公務員だった祖父と結婚した後も、なぜか近所の人たちに洋服を作ってと頼まれることが多く、そのうち自分で作ったものを売るようになり、やがてお針子さんを抱えて創業。
祖父も脱サラして二人で商売を始めました。
お店も繁盛したようですが、忙しくしていたのは祖母のほう。
休む間もなく働き続けたそうです。
店は会社となり店舗数も増え、今も存続しています。(孫の一人が継いでいます)
男の人並みに働き、一時代を築き上げ、私たち一族を支えてきた祖母ですが、自分にも厳しい分、人にも厳しんですね(笑)
祖父が6年前に他界してからは目と足が悪くなり、息子夫婦と同居するかホームに入るかを投げかけても一人で暮らすの一点張り。
お手伝いさんがいますが、よく人が変わっています(笑)
きっと、やり方が気に入らずチクリチクリと言っているのかもしれません・・。
でも、商売人なだけに人当たりはいいんですよ、最初は・・。
第一印象が良すぎるせいか、厳しい一面が出た時にかなりのギャップを感じます。
祖母を手伝いに行った家族は、みんなヘトヘトに。
買い物ひとつにしてもこだわりが強すぎて、納得がいくまであっちの店こっちの店へと・・。
そして、人に頼めないんですね。自分で選ばないと気がすまないから・・。
でも祖母のすごさも。
まったくボケていません!
数字にはものすごく強くて、会社の売り上げや客数などの話になると、現役なんじゃないかと思うほど。
そんなウメおばあちゃんです。
母方の祖母・マツ(仮名)さんの人生
警察官だった祖父と結婚し、主婦として一家の大黒柱を支え2人の娘を育てたマツおばあちゃん。
働いていた母に代わって、幼い私と姉を育ててくれました。
祖父は頑固者で人間嫌い。
外食など人が作った物を嫌う人だったので、祖母は祖父のお世話が大変だったと思います。
旅行にも行ったことがないんじゃないかな。
祖母は私たちに昔の話をよくしてくれていました。
話を聞く限りでは、堅実で無駄遣いは一切しない、家も現金で買う、何でも作るというふう。
絵に描いたような、昔の家を守る女性そのもの、という感じです。
祖母は祖父が20年前に他界した後も、祖父が建ててくれた家で生活していましたが、5年前に痴呆症がわかり、3年前からホームに入所。
でもその痴呆症は徐々に回復しているのです。
これには家族も驚いています。
昔からいつも笑顔で朗らか、祖父とは正反対の祖母でみんなから好かれるような人柄でした。
今でもいつ会いに行っても変わらず、いつも笑顔。
褒めると喜ぶし、ホームでの生活に一つも不満がなく、ご飯も美味しい、お水も美味しい、お友達もたくさんいると話してくれます。
昔話をして祖父のことを聞くと、辛かったことや山ほど嫌な思いをしたにもかかわらず、それを笑い飛ばす。
祖父のことが大好きだったといいます。
そんな祖母に、ホーム入所を勧めた時にはさすがに祖父との思い出の家を手放すことを拒みました。
でも、「流れに任せるのも大事ですね」と受け入れ、今という時間に感謝しながら病気をすることなく毎日を送っています。
まるで陰と陽‥対照的な2人の祖母
ウメおばちゃんは、人に不満を抱きながら自分だけを信じて生きています。
マツおばあちゃんは、あること全てに感謝しながら、たくさんの人に囲まれて楽しく毎日を送っています。
2人を思い出すとき、ウメおばあちゃんは暗い表情、マツおばあちゃんは笑顔が浮かぶ。
手土産を持っていったときに、2人のリアクションがあまりにも違う!
ウメ「わたしはこれは食べない」
マツ「わぁうれしい!私はお菓子が大好きよ!」
・・まるで陰と陽でしょう?
余りにも対照的すぎて、姉と笑いました。
ウメおばあちゃんは、努力した分裕福だし、人を助けることができる器もあるし、社会にも貢献してきた人です。
マツおばあちゃんは、物理的にウメおばあさんほど裕福ではないけれど、祖父がしっかり残してくれたもので生活も十分できていますし、ささやかな幸せをかみしめて生きている人です。
住職から見ると・・
「どんな生き方をしてきたのかはもちろん大事。
でも、もっと大事なのは
死ぬ瞬間に何を思うか」
なんだそうです。
世の中や人に恨みを抱くのか、
「あ~、幸せな人生だったな、ありがとう」と思えるのか、ということですね。
物事にはすべて陰と陽の側面があります。(良い面と悪い面)
そのどちらを選ぶか、どちらを見るかは自分次第。
悪い面が見えても、そこに隠れている良い面が探せるような人でありたいですよね。
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